厥陰経頭痛

頭頂部 – 厥陰経頭痛

けついんけいの頭痛

頭頂部から後頭部に「締めつけ伴う拍動痛」が生じる頭痛です。東洋医学では「肝経」の気滞と「心包経」の血瘀が原因で、月経周期後半やストレス増大時に悪化。

西洋医学の片頭痛(特に「前兆なき片頭痛」)や月経関連片頭痛に相当し、光過敏・吐き気を68%に併発。肝経は「神経伝達物質代謝」、心包経は「脳血管調節」を司り、セロトニン放出異常が神経血管性炎症を誘発します。

手の厥陰心包経の経絡図

つぼとつぼを結ぶライン(流れ)
厥陰経頭痛に関係する手の厥陰心包経の経絡図
厥陰経頭痛に関係する手の厥陰心包経の経絡図

胸部から腕の内側を通り中指へ至る経絡で、東洋医学において「心を守る膜」とされます。循環器機能や精神安定に関与し、動悸・胸苦しさ・不眠・情緒不安の改善に用いられます。

主要ツボ「内関」は乗り物酔いやストレス緩和に効果的。心包は「邪気から心を防御する」象徴的存在で、経絡調整により自律神経バランスや血流改善が期待されます。古典『霊枢』に基づき、現代でも心身相関の要とされます。

  • 主な機能
    • 心理的ストレスの緩和
      • 感情の過剰特に「喜びすぎ」や「驚き」を調節
    • 末梢循環の調整
      • 手足の冷えや血の滞りによるしびれを改善。
    • 心機能のサポート
      • 動悸や胸部圧迫感を和らげる
  • 不調時のサイン
    • 手掌のほてり・多汗
      • 心包経の「虚熱」を示す(後頭部の灼熱感は膀胱経の症状)
    • 突発的な不安感・胸苦しさ
      • 経絡の「気逆」状態
    • 肘内側の硬結
      • 触診で確認される重要な所見
  • 悪循環
    • 感情の抑圧
      • 「気鬱化火」(停滞した気が熱に転化)
      • 心包経の熱停滞(胸苦しさ・不眠を誘発)
      • 上焦(上半身)の水分代謝異常(喉の渇き・痰の発生)
手の厥陰心包経の経証
  • 頭痛
    • 頭頂部
  • 上肢
    • 手掌の熱感
    • 前腕の痙攣
    • 腋下の腫れ
  • 脈拍
    • 胸苦しい
    • 動悸(笑いたがる)
    • 心部痛
  • 望診(ぼうしん)
    • 顔面が赤くなり目は黄色になる

足の厥陰肝経の経絡図

つぼとつぼを結ぶライン(流れ)
厥陰経頭痛に関係する足の厥陰肝経の経絡図
厥陰経頭痛に関係する足の厥陰肝経の経絡図

足厥陰肝経は肝臓と関連し、下半身を主に巡る経絡です。足の親指から始まり、内踝を通り、腿内側を上行し、下腹部で肝臓とつながります。

生殖器や消化器の調整に影響を与え、月経不順やイライラ改善に用いられます。重要なツボである太衝は、ストレス緩和や血行促進に効果的です。気の流れを整えて自律神経を安定させると共に、筋肉の緊張を緩める働きを持ち、東洋医学では全身のバランス調整に活用されます。

  • 主な機能
    • 気の疏泄促進
      • 感情調節
    • 月経リズムの調整
      • 血の貯蔵
    • 血液の貯蔵と分配
  • 不調時のサイン
    • 頭頂部の圧迫感
    • 目の奥の重み
    • 生理前の情緒不安定
  • 悪循環
    • ストレス蓄積
      • 肝経の気血渋滞
      • 頭蓋骨膜の持続的緊張
      • 大後頭神経の過敏状態
足の厥陰肝経の経証
  • 動作
    • 腰が痛み、俯仰(ふぎょう:上を向いたり下を向いたり)できなくなる
  • 口渇
  • 顔の光沢がなくなる
  • 生殖器
    • 男性は陰嚢が腫れ下腹が痛む
    • 女性は性器が腫れる
  • 胸部緊満感 / 嘔吐 / 下痢 / 脱腸 / 尿失禁 / 尿閉

対処法

Self Care
即効ツボ刺激
  • 太衝
    • 肝経の気を疏通
  • 内関
    • 心包経の熱を冷却
生活養生
  • 22時就寝(胆経活性化)
  • 21時就寝(心包経活性化時間)
  • クコの実+菊花の茶
  • カフェイン・辛味過多
セルフケア
  • 頭頂部温圧
    • 温タオル5分
  • 手のひら深呼吸
    • 10回×3セット

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