首と全身の不調

首への負担が多い環境下

stressful environment
頸椎の負担
頸椎の負担

パソコン、スマートフォンの普及により、仕事・プライベート共に頭や顎(あご)を前に出す首の姿勢が悪い状態で長時間過ごす事が多くなりました。

結果、日常生活の中で頸椎(首の骨)に負担をかけるシチュエーションが増えてしまいました。

頸椎(首の骨)は身体にとって頭を支えるだけでなく、神経・臓器(内臓)・筋肉とも深い繋がりがあります。

事実、西洋医学でも高血圧による首凝りは確認されていますので、整体や東洋医学特有の考え方ではありません。過去、当院の患者さまも数年悩んでいた片頭痛や鼻炎などが改善された例も多数ございます。

頸椎(首の骨)の構造

structure of the cervical vertebrae

後頭部から7個の骨(椎骨)で形成され、上からC1~C7となります。
頸椎、C1・C2・C7・は別名もあります。

余談ですが…
  • 頸椎は
    • Cervical spine・サーヴィカル スピン
    • Cervical vertebrae・サーヴィカル ヴァーテブラ
  • Cervical(頸部)の頭文字「C」で略されます。
    • C1~C7
  • 胸椎はThoracic spine・ソラシック スピン
    • T1~T12
  • 腰椎はLumbar spine・ランバー スピン
    • L1~L5

C1~C7の頸椎、T1~T12の胸椎、L1~L5の腰椎の計24個の椎体から脊椎は構成されています。

頸椎全体の構造図(C1~C7)
頸椎全体の構造図(C1~C7)
  • 頸椎1番の別名
    • Atlas(アトラス)・環椎(かんつい)・と呼ばれ後頭骨との連結部分。環状の形をしているのも特徴の一つです。
  • 頸椎2番の別名
    • Axis(アクシス)・軸椎(じくつい)・と呼ばれ、頸椎1番に刺さるように結合をしており、漢字の通り「軸」になっています。
      他の頸椎には無い頸椎1番に刺さる部分の歯突起(しとっき)があるのが特徴です。
  • 頸椎7番の別名
    • 隆椎(りゅうつい)と呼ばれ、頸椎(首の骨)と胸椎(背中の骨)との移行部の頸椎の為、両者の特徴を合わせ持っています。

頸椎(首の骨)は胸椎(背中の骨)や腰椎(腰の骨)に比べると多数の神経根(神経の伸び始める根本)があります。

腕関係の神経根が多いのですが、脳に繋がる神経や身体のリズムを整える交感神経・副交感神経との兼ね合いも関係し、心身に影響をあたえやすい部位となります。

東洋医学からみても、色々な臓器の反射区になっていたりもします。

各頸椎と症状との関係

relationship with symptoms
頸椎1番(C1) / 環椎
頸椎1番(C1) / 環椎
頸椎1番・C1(Atlas アトラス / 環椎 かんつい)
  • 頸椎1番(C1)の別名
    • Atlas(アトラス)・環椎(かんつい)・と呼ばれ後頭骨との連結部分。環状の形をしているのも特徴の一つです。
  • 頸椎1番(C1)の症状
    • 神経衰弱・ヒステリー・脳の疲労・目の疲れ・不眠症・ 糖尿病・半身不随・めまい
  • 頸椎1番(C1)の特徴
    • 脳の活動との関連が強いのが特徴です。
      頸椎2番(C2)と連結していて、一般的に外からは触る事が難しい箇所です。
      不眠症の時は、後頭骨を左右に動かし、うえに上げるような運動をすると、頸椎1番が緩み症状の緩和が期待できます。
頸椎2番(C2) / 軸椎
頸椎2番(C2) / 軸椎
頸椎2番・C2(Axis アクシス / 軸椎 じくつい)
  • 頸椎2番(C2)の別名
    • Axis(アクシス)・軸椎(じくつい)・と呼ばれ、頸椎1番に刺さるように結合をしており、漢字の通り「軸」になっています。
      他の頸椎には無い頸椎1番に刺さる部分の歯突起(しとっき)があるのが特徴。
  • 頸椎2番(C2)の症状
    • 頭痛・ムチ打ち・日射病・癲癇・失神・脈の乱れ・腎機能・泌尿器系・酸欠・偏頭痛・高血圧・脳梗塞etc
  • 頸椎2番(C2)の特徴
    • 脳の血液循環との関係が強く、首の筋肉との関係も深いのが頸椎の2番です。経験者も多いであろう寝違い等は、頸椎の2番と関係が深いです。この付近の筋肉を緩めるだけでも寝違いの症状の緩和が期待できます。
      しかし寝違いは腋窩リンパや腋窩神経との関係もあるので頸椎の2番だけで改善しようというのは難しさがあります。よって、セルフマッサージなどで頸椎の2番付近を必要以上にマッサージして痛めないようにご注意下さい。
頸椎3番(C3)
頸椎3番(C3)
頸椎3番・C3
  • 頸椎3番(C3)の症状
    • 五臓(胃腸・腎臓・肝臓、脾臓、 膵臓、)の働き・甲状腺・難聴・鼻疾患(アレルギー性鼻炎)・頻尿・子宮・卵巣・前立腺異常・眼疾患・肩こり・首の捻れ
  • 頸椎3番(C3)の特徴
    • 迷走神経という脳神経の1つとの関係が深い為、五臓に影響を及ぼします。また、泌尿器・生殖器・鼻(鼻は生殖器に関わりが深い)との関係も深い。
  • 迷走神経(めいそうしんけい)とは?
    • 迷走神経(めいそうしんけい)とは、脳神経の一つです。副交感神経や咽頭・喉頭・食道上部の運動神経、腺の分泌神経などを含みます。
      延髄から出ている脳神経ですが、体内で多数に枝分れして複雑な経路をとっています。複雑な経路は腹腔にまで広く分布しているところから迷走神経(めいそうしんけい)と名前が付けられました。
      迷走神経(めいそうしんけい)は内臓(胃腸や心臓、血管など)に多く分布し、体内の環境をコントロールしています。しかし、コントロールするはずの迷走神経(めいそうしんけい)が過剰に反応してしまうと、心拍数や血圧の低下、脳貧血による失神などを引き起こしてしまいます。
頸椎4番(C4)
頸椎4番(C4)
頸椎4番・C4
  • 頸椎4番(C4)の症状
    • 呼吸器系の中枢・気管支炎・喘息・吃逆(しゃっくり)・呼気中枢・横隔膜・肩関節
  • 頸椎4番(C4)の特徴
    • 頸椎4番付近は感情の動きで緊張したり、緩んだりします。怒っている時は硬直し、笑っていると柔らかくなる部位です。
      東洋医学でみると「肝」は「怒」の感情と表裏一体の関係を持ちますので、慢性症状の場合は肝臓とセットでケアするのもポイントとなります。
頸椎5番(C5)
頸椎5番(C5)
頸椎5番・C5
  • 頸椎5番(C5)の症状
    • メニエール病・胃酸過多、肝臓病・ムチ打ち症・気管支喘息・喉の痛み・平衡運動感覚
  • 頸椎5番(C5)の特徴
    • 内耳の機能に関連している為、平衡運動感覚に影響を及ぼします。
      メニエール病の人は、頸椎5番がずれている方が多いので、歪みを矯正したら症状が緩和・改善されたという例も耳にします。
      東洋医学でみると頸椎の5番は「腎」との関係も出てきます。「腎」は耳との関係がありますので「腎」へのケアもオススメいたします。
頸椎6番(C6)
頸椎6番(C6)
頸椎6番・C6
  • 頸椎6番(C6)の症状
    • 甲状腺腫・喘息・バセドウ病・甲状腺低下症
      *呼吸器や迷走神経との関係有り
  • 頸椎6番(C6)の特徴
    • 甲状腺との関連がありますので、肌にも影響をおよぼします。
      東洋医学の表裏一体の考えも考慮すると、「肌」=「脾・胃」が上がってきます。「脾・胃」の負担に発展しないように「脾・胃」の予防ケアは欠かせません。
頸椎7番(C7) / 隆椎
頸椎7番(C7) / 隆椎
頸椎7番・C7(隆椎 りゅうつい)
  • 頸椎7番の別名
    • 隆椎(りゅうつい)と呼ばれ、頸椎(首の骨)と胸椎(背中の骨)との移行部の頸椎の為、両者の特徴を合わせ持っています。
  • 頸椎7番(C7)の症状
    • 動脈硬化・高血圧・低血圧・むくみ・リンパ・ムチ打ち・胃痛・気管支炎
  • 頸椎7番(C7)の特徴
    • 頸椎の7番はお医者さまも高血圧との関係を発言するくらい「血流」との関係が深い部位です。「血流」なので全身の動脈と関係してきます。

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